「メディア定点調査2019」時系列分析

「メディア定点調査2019」をリリースしました。接触時間やイメージなど時系列分析から見えてきたメディア環境の変化をご報告します。

①「携帯/スマホ」と「テレビ」の増加により、メディア総接触時間は過去最高の411.6分、初の400分台。


メディア総接触時間は過去最高の411.6分(1日あたり/週平均)。昨年より15.6分増加した。「携帯/スマホ」(14.5分増)、「テレビ」(9.9分増)の増加が大きく、「ラジオ」(0.8分増)、「新聞」(0.7分増)は微増。「雑誌」(1.6分減)と「タブレット端末」(1.1分減)は微減。昨年増加した「パソコン」 (7.6分減)は減少し、一昨年並みとなった。「携帯/スマホ」の接触時間は117.6分。初めて100分を超えた昨年から更に増加して、120分に迫る勢い。

②メディアイメージ42項目中21項目で「携帯/スマホ」は首位。全体の1/2を占め、メディアイメージは拡張。

メディアイメージでは「携帯/スマホ」の躍進が目立ち、新たに4項目で首位となった。「知りたい情報が詳しくわかる」は10.0ポイント増(2018年:51.1%→2019年:61.1%)、「情報が幅広い」は4.7ポイント増(2018年:52.0%→2019年:56.7%)で「パソコン」を抜き、「楽しい情報が多い」は7.7ポイント増(2018年:48.1%→2019年:55.8%)、「身近な内容の情報が多い」は9.7ポイント増(2018年:40.7%→2019年:50.4%)で「テレビ」を抜いた。「携帯/スマホ」はメディアイメージ42項目中21項目で首位となり、初めて全体の1/2を占めた。「携帯/スマホ」のメディアイメージはより一層多方面に拡張している。

③スマホの存在感が増す一方、生活者のメディア意識や行動が顕著に変化し、ネットの情報と適度な距離感を保つ

2016年から聴取している生活者のメディア意識・行動を2016年と2019年の増減に着目してトップ10を見ると、「情報やコンテンツは無料で手に入るものだけで十分だ」(2016年:46.0%→2019年:28.7% 17.3ポイント減)、「SNSは自分の暮らしに必要だ」(2016年:30.1%→2019年:41.8% 11.7ポイント増)、「スマホを寝床に持ち込むことがある」(2016年:49.4%→2019年:60.4% 11.0ポイント増)などが3年間で顕著に変化した。メディア接触におけるスマホの存在感が増し、密接になる一方で、無料の情報だけでは不十分、ネットの情報はうのみにしないなど、生活者がネットの情報と適度な距離感を保つ姿勢が読み取れる。

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