「メディア定点調査2024」時系列分析

「メディア定点調査2024」をリリースしました。メディア接触時間や生活者のメディア意識など時系列分析から見えてきたメディア環境の変化をご報告します。

①メディア総接触時間は432.7分。「携帯電話/スマートフォン」のシェアが前年比約3%増、「テレビ」が約2%減。

メディア総接触時間は432.7分(1日あたり/週平均)。コロナ禍による急増分は調整されつつあるが、依然としてコロナ前よりも高い水準で推移している。増減幅が10分以上となったのは、「携帯電話/スマートフォン」(161.7分 昨年から10.1分増)と、「テレビ」(122.5分 同12.9分減)。「ラジオ」(23.0分 同5.0分減)、「新聞」(9.2分 同4.6分減)、「雑誌」(9.5分 同0.8分減)
は微減、「タブレット」(37.9分 同2.4分増)は微増した。情報接触におけるモバイルシフト(メディア総接触時間における「携帯電話/スマートフォン」 のシェアの増加傾向)は依然として続いている。

②スマートフォンでのテレビ番組視聴の増加など、コンテンツ×視聴デバイスの組み合わせの多様化が加速。

スマートフォンでのテレビ番組視聴が3割台に増加。また、テレビ受像機での無料動画視聴も過半数を超えた。テレビ番組をテレビ以外のデバイスで見たり、ネットの無料動画をテレビ受像機で見るなど、コンテンツ×視聴デバイスの組み合わせの多様化が加速している。民放公式テレビポータルTVerの利用率(53.8% 同14.3ポイント増)や、テレビ受像機のインターネット接続率(63.5% 同8.6ポイント増)の伸びも、多様化を加速する大きな要因となっている。

③スマートフォンからのチケット購入や店舗予約が増えた人は6割超に。生活行動のモバイルシフトも進んでいる。

「チケットの購入はスマートフォンのアプリで行うことが増えた」(64.6% コロナ禍前の2019年に比べて31.0ポイント増)、「店舗の予約はスマートフォンのアプリで行うことが増えた」(61.5% 同27.6ポイント増)が6割超に。コロナ禍明けで旅行や外食等の機会が増えたことも伸長の要因と思われるが、コロナ禍前の水準と比べても大きく伸長している。情報接触だけではなく、購買や予約などの生活行動におけるモバイルシフトが、幅広い年齢層で進行していることがうかがえる。

※掲載している情報/見解、研究員や執筆者の所属/経歴/肩書などは掲載当時のものです。